臭いに関してつらつらと

北沢かえるの働けば自由になる日記
太字強調はオレ

10年以上前に、福祉関係の公務員に取材をしていて、たまたま、彼が前に関わっていたホームレス支援の話になった。
彼が言うには、東京にいるホームレスの中には、かなりの高率で、知的障害者精神障害者がいる。よく、「ホームレスは汚い」と言われているが、病のせいで、汚なくても平気な人が少なからずいる。炊き出しや無料診療の場を設けようが、近寄っても来ない人たちが特に心配なんだが、実態がつかめない。印象だけだが、すぐに病院か施設へ連れていくべきではないかと思われるケースも多い。

穢れとか忌みとか、微生物やら細菌やらウィルスやらが発見される前から、汚いとか思う気持ちはあった。文化的に拠るものもでかいんだろうけど、臭いとか感覚的生理的な部分も大きいだろう。
知的障碍者、精神障碍者の中には著しく清潔感を気にしない人もいる。社会的に問題があると言うレベルではなく他人どころか自分の健康、生命を損なう恐れのある不潔行為を平気でやってしまう人もいる。
一方で清潔感にこだわりすぎて社会生活を営めない人もいる。しかし、この場合の清潔感は「こだわり」と言った方がいいのかもしれない。


まんが家の藤崎竜がまんが「封神演技」の駄文の中で中国(大陸の方)の動物園は日本のほど臭くないと書いていた。湿度に関係するんではないかと、推測していた。実際、臭いは湿度や温度が高くなれば強くなるはず、たしか、調べる気はないけど。
吉本隆明糸井重里との共著の「悪人正機」で日本には香水文化がないのでどうたらこうたらと書いていた。
日本は強い臭いに関しては悪と考える文化なのかな。
2008-08-30

悪臭が気になる? だったら家に帰ればいいのです。あなたには帰る家があるんでしょう? 経済的に困窮しているために衛生状態を保つのにも苦心している人たちが、寒さや暑さを避けて図書館にやって来る。当然受け入れるべきだ。悪臭の程度がひどければそれだけ、積極的に受け入れるべきです。*3気を遣わせないように配慮してもいいくらいです。不本意ながら不衛生な状態におかれているホームレスがあなたの前に現れ、そのことが悪臭云々を含む「快適性の問題」として意識されるとき、それはただあなたの快不快の問題なのではなく、ホームレスという社会問題に対するあなた自身の態度を問われているのです。ホームレスを生み出した社会の成員でありながら、ホームレスを「公共空間における悪臭」としてしか捉えられないとすれば、それは恐ろしいことです。


*3:ホームレスでも大半の人は身ぎれいにしています。困窮の度合いが高ければそれだけ、衛生状態も悪くなります。

id:qinmuさんからのブコメ

qinmu ホームレスと日雇い労働者を一くくりにするのは間違いだと思うけど、小便垂れ流しのホームレスのアンモニア臭といったら、目を刺すような悪臭なんだよ。居なくなっても数時間は匂いがとれない。分かって言っている?


「小便垂れ流しのホームレス」は糖尿病の悪化などで、慢性的な尿失禁になってるケースが多いと思います。*5

ホームレスだってほとんどみんな清潔でありたいと思ってるし、好き好んで糞尿垂れ流しになんかなりません。そこまで無頓着にもならないものです。だから「目を刺すような悪臭」を感じ、そこに「小便垂れ流しのホームレス」を発見したなら、彼らこそ積極的に受け入れるべきです。そして、福祉につなげることで医療を受けられるようにするべきです。排除という選択肢は最低最悪のものです。


*5:私の貧弱な経験の範囲ですが

上の文はいわゆる図書館ホームレス問題に対する文なのだけれど、知的障碍者のホ−ムレスのことに関しては知らないのか無視しているのかはわかりませんが、書かれていません。


イソ吉草酸や有機硫黄系化合物や有機セレン系化合物、不飽和系の化合物などなど、臭気に関して「これは耐えられない」と、思う閾値が高いと思うのだ、僕は。ニブちん・鈍感ボーイの僕は、それ故、自臭恐怖ってやつですか、アレと、戦う日々だったわけです、思春期は。今でもそうだけど。耳垢ベチョベチョ、アポクリン汗腺だっけ?腋臭の、まあ、8×4は32です。


昔、田舎のバスに乗っていたとき、地元の中学生が揚げ物を食べていて、そのことに関して、ひそひそとパート帰りのおばちゃんたちが、「非常識や、気持ち悪くて吐きそうや」って言っていた。うーん、と悩んだ。中学生は腹が減るし、揚げ物の臭いはおいしい臭いなのだろうし、自分らの仲間以外の他人のことなんてナカナカ意識はできないだろう。一方、おばちゃんは、たぶん近くのハム工場でパートしていて、長時間勤めて、しんどくて、気持ち悪い状態で、年齢も重ねて、揚げ物の臭いは耐えられないのだろうと、そして、同じ年齢の息子もいるのかもしれない。


僕が知的障碍者の入所更生施設(法律的にはこういう名前で、えげつないよな。オモニ成人の知的障碍者、精神障碍者が生活の場として過ごす施設で、老人ホームの知的・精神障碍者ヴァージョンかな)に働きに来て初め「何だこの臭いは……。」と思いました。病院や老人ホームとはまた違い、塩素系の漂白剤と糞尿と微生物と食べ物と汗と体臭の混じったのを薄くした臭いだった。別に、吐くほど気持ち悪いとは思わないけど、他人の家の臭いが気になるなあ×30くらいの臭いの強さだった。ただ、数日でわからなくなったけど。